山田錦の魅力を究明!山田錦が大吟醸酒に最適と言われている理由とは
山田錦は、「酒米の王様」と呼ばれている品種です。日本酒が好きな方であれば、一度はその名前を聞いたことがあるかもしれません。さまざまな日本酒の原料として使用されている山田錦ですが、特に大吟醸酒を造る際にその魅力を発揮すると言われています。
今回は山田錦というお米の特徴、さらに山田錦が大吟醸酒造りに最適と言われている理由をお伝えします。
Contents
山田錦の特徴
山田錦が「酒米の王様」と呼ばれる所以はどこにあるのでしょうか?
日本酒造りに使用される酒造好適米は、食用米よりも粒が大きいこと、「心白」があることなどが特徴としてあげられます。心白とは米の中心にある白濁した部分で、麹造りに重要な役割を果たしますが、食用米には心白がありません。
米の重量は、千粒の重さ(千粒重)で計測します。一般的な食用米は千粒重が22グラム前後ですが、山田錦は26~28グラムと酒米の中でも大きめです。
山田錦は粒・心白が大きいために精米しやすいこと、また日本酒の雑味の元となるタンパク質が少ない、吸水性が高いなど多くの優れた特徴があります。
山田錦は全国的に生産されていますが、生産量が多いのは兵庫県で、もっとも質が高い「特上」の山田錦が生産されているのは現在でも兵庫県のみとなります。
大吟醸酒に山田錦が最適な理由
大吟醸酒は、造りにおいて技術と手間がかかる種類で、高級酒に分類されるお酒です。山田錦が、大吟醸酒を造るのに最適な銘柄といわれるのはなぜなのでしょうか。
精米歩合が高くても砕けない
大吟醸酒は、米の半分以上を磨いて、心白だけで造られる日本酒です。
磨いている途中で米が割れてしまうと味わいが崩れてしまい、質の良い日本酒は出来上がりません。
山田錦は心白が大きく粘度・強度が高いため、精米歩合が高くても砕けにくいという特徴を持っています。
「吟醸造り」に向いている
吟醸造りは、よく磨いた米を長期低温発酵させる吟醸酒の製造方法です。低温でじっくりと時間をかけて発酵させる過程は酒米が溶けづらく、消化されにくいため過酷な条件下といえますが、山田錦はその環境に耐えることのできる酒米です。
山田錦は心白が醪(もろみ)に溶け出しやすく、デンプンの蓄積が穏やかで消化性に優れているという特徴があるため、吟醸造りに耐えることができ、上質な吟醸酒を造ることができるのです。
質の良い麹が造れる
山田錦の特徴のひとつに、吸水性が高く質の良い麹が造りやすいという点があります。吟醸造りに使用する麹は、「突き破精型(つきはぜがた)」と呼ばれるタイプの麹です。
突き破精型の麹は、淡麗で上品な味わいの日本酒を生み出します。吸水性が高く麹菌が入りやすい山田錦は、突き破精型の麹を造るのに理想的な酒米といわれています。
大吟醸酒の味わいを上質なものにするための麹造りには、山田錦はまさに理想的な酒米なのです。
山田錦で造った大吟醸酒の味わい
山田錦で造った大吟醸酒は、繊細でありながらスッキリとした上品な味わいに仕上がります。そして、上品な果実のような吟醸香も存分に楽しむことができます。
香りだけでなく、ふくらみのある米の旨味、程よい余韻をバランスよく味わえるのも特徴です。
品評会では、その出品酒のほとんどが山田錦で造った大吟醸酒で、高い評価を受けています。
おわりに
今回は、酒米の王様として名高い、山田錦の魅力をお伝えしました。
山田錦はその特徴から日本酒造りに最適な酒米で、灘の日本酒をはじめ全国各地の日本酒の原料に使われています。
山田錦は、精米歩合の高さや吟醸造りを必要とする大吟醸酒に最適な酒米として知られています。山田錦で造った大吟醸酒は、華やかな香りとスッキリとした味わいに特徴があり、食中酒としても楽しめます。素材の味わいを生かしたあっさりとした味付けの料理と合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
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