日本酒と料理酒の違いは?日本酒で代用する効果やおすすめの日本酒を紹介
和食などを作る際、お酒を使うことがあると思います。レシピにお酒と書いてあるときは、どんな種類の日本酒が良いのか、または料理酒を使う方が良いのかと、悩んだことはありませんか?
そこで今回は、日本酒と料理酒の違いや、料理酒で代用する際の注意点、料理をより引き立てる日本酒の使い方などを解説します。
Contents
料理酒とは?効果・使い方について
料理酒は、名前の通り、飲用ではなく料理での使用を目的としたお酒のことです。まずは料理酒の効果と、その使い方について解説します。
料理酒の効果
料理酒は、食材の臭みを消したり、柔らかくしてくれたりする効果が期待できます。他にも、料理にコクや風味を出してくれるため、特に和食には欠かせません。
▼料理酒の効果の詳細は下記のコラムから
料理酒の使い方
肉や魚の臭みを取りたいときは調理前に具材を料理酒に漬けたり、旨味やコクを引き出したいときは他の調味料と一緒に入れて煮込んだりと、期待する効果に合わせて使い方を分けるのがおすすめです。
ただしアルコールを含むため、料理に入れる際はしっかりと加熱します。使用する量は料理によって異なりますが、入れ過ぎるとお酒の臭みがついてしまう可能性があるので注意しましょう。
料理酒の代用として使えるお酒
料理酒を使おうとしたけどなかった…と、料理中に気づくこともあるでしょう。実は、料理酒は他のお酒でも代用することが可能です。ここでは、料理酒の代わりとして使えるお酒をご紹介します。
日本酒(清酒)
日本酒が持っているコクにより、料理の旨味がアップします。日本酒は、料理酒と同量で料理に使うことが可能です。
本みりん
本みりんであれば、アルコールが含まれているため、料理酒の代わりとして使うことができます。料理酒の代わりとして使う場合は、料理酒と同じ量を使用しましょう。
ただし、みりんは甘みが強い調味料のため、砂糖を減らして味を調えるようにしてください。みりん風調味料もありますが、アルコールが入っていないため、必ずしも料理酒と同じ効果は得られません。
ワイン
白ワインであれば、癖が少ないため洋食にも和食にも利用できます。料理酒と同じ量を使って大丈夫です。ただし、白ワインの中でも、フルーティーな香りや酸味が強いものは料理の味や風味が変わってしまう恐れがあります。料理酒の代わりとして使うなら、辛口で酸味が少ない白ワインを選びましょう。
また赤ワインは赤色で渋みがあるため、素材を活かし、さっぱりとした味わいの料理には向いていません。色味が気にならず、渋みがプラスに働くようなビーフシチューなどの煮込み料理に使うのがおすすめです。
ビール
料理によっては、ビールも、料理酒の代わりとして使うことができます。ビールには肉を柔らかくしてくれる効果があるため、特に肉料理に使うのがおすすめです。料理酒の代わりとして使う場合は、料理酒と同量を入れます。
ウイスキー
ウイスキーも料理酒の代用として利用できますが、使う料理を選びます。例えば、ビーフシチューやカレーといった洋食の中でもこってりしたものや、パウンドケーキなどの洋菓子には活用できます。しかし和食やさっぱりした味付けの料理に使用すると、ウイスキー独特の香りや風味が残ってしまうことがあるため活用は難しいです。ウイスキーの香りと相性が良い肉料理や、濃い味付けの料理に使うと良いでしょう。
焼酎
焼酎も料理酒の代用として使うことができます。料理には焼酎の中でも癖の少ない、甲類焼酎を使いましょう。
しかし、焼酎は蒸留していることから糖質を含まないため、甘みや旨味には欠けます。そのため、焼酎は料理よりも肉や魚の下処理に使うのがおすすめです。
以上、料理酒として代用できるお酒をご紹介しましたが、その中でも日本酒は特におすすめです。料理や食材の下処理に使え、和洋中も選ばない日本酒は料理に使用することに向いています。あえて日本酒を料理酒として使うという人もいるほど、日本酒は料理に適しているのです。
日本酒と料理酒の違い
料理酒と日本酒は同じものだと思う方もいるかもしれませんが、実は少し違いがあります。料理酒と日本酒の違いについて見てみましょう。
料理酒には塩分が加えられている
料理酒が日本酒と違う一番のポイントは「塩が添加されているものが多い」ということ。
料理酒の原料は「米」「米麹」「塩」の3つが基本で、塩は海水と同じ3%ほど含まれています。一方で日本酒は、「米」と「米麹」からできていて、塩分は含まれていません。
料理酒には甘味料・酸味料が加えられている
料理酒には、塩だけではなく甘味料や酸味料などの副原料が含まれているものもあり、料理に使うことで味を調える効果を持っています。
それ以外にも、一般的な料理酒の原料となるお米は日本酒と比べて磨きが少ないことや、アルコールが抑えられている場合があることも特徴です。料理酒を舐めてみると塩味・甘味が強く、日本酒のようなお米の風味はあまり感じられないでしょう。
料理酒は日本酒よりも安価なことが多い
日本酒は飲んで楽しむことが大前提のため、酒税法の対象となり酒税が課税されます。一方で、料理酒は塩分などが入っているため、酒税法の対象外となり調味料として扱われます。料理酒には酒税が課税されないため、日本酒よりも安価なものが多いです。
また、酒税法上、塩を添加して飲めないようにすることで、酒類販売免許を持たないお店でも販売ができるという面もあります。
料理酒として日本酒を活用するメリットや効果
料理に日本酒を活用することには、いくつかメリットがあります。続いては料理酒として日本酒を代用するメリットや効果をご紹介します。
日本酒にはアミノ酸が豊富に含まれている
まずメリットとして挙げられるのが、日本酒には料理酒よりも豊富にアミノ酸が含まれていることです。米由来のアミノ酸がたくさん含まれており、旨味成分としても知られているグルタミン酸・コハク酸・アラニンなどが豊富です。日本酒を料理に使うと、これらのアミノ酸がコクや旨味をアップしてくれます。
日本酒の調理効果
日本酒を入れることによる調理効果は、コクや旨味がアップするだけではありません。
肉や魚などの臭みを消してくれる
料理に日本酒を入れると、お酒の香気成分や有機酸によって、素材の臭みが取れるというメリットがあります。そのため、日本酒は魚や肉を使った料理にも適しています。
特に魚の煮付けといった「臭みが気になる料理」に日本酒はうってつけ。湯引きなどの下処理はもちろん、調味料と一緒に日本酒を入れることで臭みを抑えることができるでしょう。
味が染み込みやすくなる
アルコールが食材に染み込む際、同時に他の調味料や旨味も染み込みやすくなります。
しかし、料理酒の場合は塩分が含まれているため、粒子の大きい砂糖は染み込みにくくなります。日本酒であれば、塩分が含まれていないので、味の染み込みを邪魔することがありません。そのため、料理酒よりも材料に味が染み込みやすくなるのです。
例えば大根などの火が通りにくい食材を使って煮物を作る際、日本酒を入れることで、味がしっかりと染み込み美味しくなります。
料理に上品な香りが加わる
日本酒には、糖類やアミノ酸が豊富に含まれています。この糖類やアミノ酸は、加熱することにより、料理に上品な風味をプラスしてくれます。すまし汁や味噌汁などの汁物に日本酒を入れることで、旨味やコク、上品な香りをより引き立てることができるでしょう。
レシピの「酒」は料理酒?日本酒?
レシピの使用する材料に「酒」とだけ書かれていた場合、料理酒を使えば良いのか?日本酒を使えば良いのか?悩む方が多いのではないでしょうか。レシピの材料に「酒」と記載されていたら、基本的に「日本酒」のことを意味します。そのため、酒と書かれていたら、日本酒の使用が適しているのです。
料理酒で代用する場合の注意点
レシピに「酒」と記載があり日本酒がない場合、料理酒でも代用はできます。
ただし、一般的な料理酒には、海水とほぼ同じ3%ほどの塩が加えられています。そのため、日本酒の代わりとして料理酒を使う場合、塩加減に注意しないと予想以上に味が濃くなってしまいます。
同様に、水アメなどの甘味料が入っている場合は、砂糖やみりんの量を調整することが必要です。料理酒を使うときは「日本酒と同じ」と思わずに、原材料の欄をよく見て、味付けのバランスを取るようにしてください。
料理に使用するのに適した日本酒とは?おすすめの種類を紹介
日本酒といっても、造り方からその味わいまでタイプはさまざま。それでは、「料理に向いている日本酒」とは、どのようなものでしょうか。
お米の旨味がある純米酒がおすすめ
吟醸酒や大吟醸酒のように、精米歩合が高い日本酒は料理に使うのには向かないとされています。
酒米は、磨けば磨くほどに味わいがシャープになり、雑味が少なくなります。そのため、飲む場合には上品でキリッとした味わいを楽しめますが、お米の旨味も削られているため、料理に複雑な旨味を加えるには少し不十分な場合があるのです。
料理に日本酒を使うなら、お米の旨味がある純米酒がおすすめです。日本酒自体にどっしりとした程よいコクがあり、料理の味に深みを与えてくれるからです。
また、料理酒の塩や添加物が気になる方にとっても、添加物がない純米酒なら安心ですね。特にアサリの酒蒸しのように大量のお酒を使う料理では、シンプルで味わい深い日本酒を使うことで、料理のグレードを上げることができそうです。
料理におすすめの沢の鶴の日本酒3選
沢の鶴では、飲むことも料理に使うこともできる日本酒をご用意しています。
1.米だけの酒パック
純米酒の「米だけの酒パック」は、醸造アルコールや糖類、酸味料を使っていません。お米100%で造った無添加の日本酒で、味付けの邪魔をしないので料理酒としてもお使いいただけます。
もともとは飲用なので、飲んでもOK!どんな料理にも合うので、晩酌のお供にもおすすめの日本酒です。
沢の鶴オンラインショップはもちろん、一部のコンビニやスーパーでもご購入いただけます。
- 純米酒
- 料理酒に合う
- 人気商品
米一粒一粒の力が生きています。こだわりと値ごろ感をあわせもった純米酒。
- アルコール度数:
- 14.5度
- 飲みごろ温度:
- 【冷酒】15℃(涼冷え)、【燗】45℃(上燗)
2.米だけの酒 糀2倍の純米酒パック
沢の鶴「米だけの酒 糀2倍の純米酒」も料理に使うお酒としておすすめです。「米だけの酒 糀2倍の純米酒」は通常の倍の量の麹を使用しています。麹は、米のたんぱく質をアミノ酸に変えるため、料理の旨味・コクを十分に引き出してくれるのです。
もちろん、料理に使うだけでなく美味しく飲んでいただける日本酒です。スッキリと飲みやすく、女性の方も親しみやすい味わい。料理酒として活用した後は、でき上がった料理と一緒に一杯、楽しんでみてはいかがでしょうか?
- 純米酒
- 料理酒におすすめ
- 糀
糀の、ほのかな甘みがやさしい日本酒。いつまでも、おいしい晩酌を楽しみたい。
- アルコール度数:
- 10.5度
- 飲みごろ温度:
- 10℃(花冷え)、45℃(上燗)
- 純米酒
- 料理酒におすすめ
- 糀
糀の、ほのかな甘みがやさしい日本酒。いつまでも、おいしい晩酌を楽しみたい。
- アルコール度数:
- 10.5度
- 飲みごろ温度:
- 10℃(花冷え)、45℃(上燗)
3.純米
生酛造りの純米酒です。じっくりと引き出されたお米の旨味やコクの深い味わい、芳醇な香り、後味のキレを楽しめます。仕込水には、名水百選に選ばれた灘の宮水(六甲山系の天然水)を使用していて、こだわり抜かれた日本酒です。
また「純米」という名の通り、原材料にはお米と米麹しか使用しておらず、醸造アルコールや糖類、酸味料は含まれておりません。料理にもお使いいただける純米酒です。
- 純米酒
- 料理に使える
- 気軽に飲める
日本酒好きな方が気軽に飲める純米酒。純米酒本来の旨味の、芳醇な香りとキレ。
- アルコール度数:
- 14.5度
- 飲みごろ温度:
- 【冷酒】15℃(涼冷え)、【燗】40℃(ぬる燗)
おわりに
和食の味のベースとなる「旨味」。日本酒を活用すると、素材の臭みを消すだけでなく、料理の旨味が増し、味わいを引き立ててくれます。
キッチンに純米酒がある日は、飲むだけでなく料理にも活用してみてください。きっといつも以上に「美味しい一品」ができ上がり、晩酌がますます楽しくなるでしょう!
料理におすすめの純米酒「米だけの酒 糀2倍の純米酒」
料理に活用できる日本酒をお探しであれば、沢の鶴「米だけの酒 糀2倍の純米酒」をおすすめします。その理由は、アミノ酸が通常の2倍以上含まれていること!「米だけの酒 糀2倍の純米酒」は通常の倍の量の麹を使用しています。麹は、米のたんぱく質をアミノ酸に変えるため、料理の旨味・コクをじゅうぶんに引き出してくれるのです。
もちろん、料理酒としてだけでなくおいしく飲んでいただける日本酒です。スッキリと飲みやすく、女性の方も親しみやすい味わい。料理酒として活用した後は、出来上がった料理と一緒に一杯、楽しんでみてはいかがでしょうか?
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
沢の鶴はこれからも日本酒文化を大切にしながら、みなさまの毎日の食事がもっと美味しくなるお酒造りを続けていくと共に、このWEBメディア『酒みづき』を通して、より多くの方々に日本酒の美味しさや楽しみ方に関する情報をお届けしてまいります。
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※お酒は20歳になってから。お酒は楽しく適量を。飲酒運転は、絶対にやめましょう。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児に悪影響を与えるおそれがあります。
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