梅酒の基本の作り方は?ベースごとに変わる味わいも解説【日本酒・焼酎・ブランデー】
自家製梅酒を作った経験はあるでしょうか。
梅酒はお酒が苦手な人でも比較的飲みやすく、手軽に家でも作ることができる人気のあるお酒です。
この記事では基本的な梅酒の作り方やおすすめの楽しみ方、ベースによる味の違いについて紹介していきたいと思います。
きっと「こんなに簡単なのか」と驚かれると思いますので、ぜひとも自分好みの自家製梅酒作りに挑戦してみてください。
Contents
梅酒とは?
そもそも梅酒とはどのようなお酒なのでしょうか。
梅酒は日本で古くから好まれている果実酒の一種で、毎年6月頃に収穫される青梅をアルコール度数20度以上のアルコールに漬け込んで作ります。時間をかけて寝かせることで梅のエキスが徐々に染み出し、芳しい風味と甘味のあるお酒になります。
梅酒と一言で言っても、ベースとなるお酒によって異なる特徴の梅酒ができるため、作る人の好みを反映させやすいのも好まれる点ではないでしょうか。また、長く寝かせておくことで味に深みも生まれてくるため、毎年漬けることでその年その年の味の違いも楽しめます。
注意点として、アルコール度数が20度未満のお酒で作ると再発酵により度数が上がってしまい、酒税法に違反します。そのため、梅酒を作る際は20度以上のアルコールを使うようにしてください。
梅酒作りに必要な材料と下準備
梅酒に必要な材料と下準備は以下の通りです。
分量は一般的な量になりますので、好みに合わせて調整してください。
材料
- 密閉できるガラス瓶・・・・容量5リットル
- 青梅・・・・・・・・・・・1Kg
- 氷砂糖・・・・・・・・・・500g~800g
- お酒(アルコール度数20度以上のもの)・・1.8リットル
下準備
ガラス瓶を消毒する
菌を繁殖させないために熱湯でガラス瓶を煮沸(しゃふつ)消毒したのち、しっかりと水気を拭き取ります。
具体的な方法は、まず鍋底にふきんを敷いてガラス瓶を置き、水を入れて沸騰させます。この時、沸騰したお湯にいきなり瓶を入れると温度差で瓶が破損してしまうため、お湯が沸騰する前から瓶を入れましょう。※必ず事前に瓶の耐熱温度を確認してください。
沸騰して5分ほど経ったら、日の当たる場所に瓶の口を下にして置き、十分に乾燥させます。
また梅酒瓶が大きすぎて鍋に入らないという場合は、瓶を丁寧に洗ったあと乾燥させて、消毒用エタノールで拭くという方法もあります。
青梅のヘタを取る
青梅のヘタを取らずに漬けると、ヘタが取れて浮いてきてしまったりカビの原因となってしまったりするので、竹串を使って青梅のヘタを取り除きます。この時なるべく傷をつけないように注意してください。
青梅の水洗い・あく抜き
青梅は洗剤を使わずに流水でやさしく洗い、たっぷりの水につけて2~4時間を目安にあく抜きをします。少し黄色く熟れている梅であれば10~30分、梅全体が黄色くなっているものはあく抜きを行わなくても良いとされています。
ただし、あく抜きのし過ぎは梅酒の腐敗にも繋がるので、梅の状態に合わせて対応することが大切です。
あく抜きが終わったら、ひとつひとつ丁寧に水気を拭き取りましょう。水気を取らないとカビが発生する原因となってしまいます。
梅酒の作り方【簡単3ステップ】
梅酒の作り方は以下のたった3つの手順です。それぞれポイントもあわせて解説していきますので参考にしてください。
1.青梅と氷砂糖を交互に入れる
ガラス瓶に青梅と氷砂糖を交互に入れていきます。氷砂糖の量を500g~800gと幅を持たせていますが、甘さ控えめが好きな方は500g、甘めが好きな方は800gとお好みに合わせて調整してください。青梅と氷砂糖を全体的に偏りがないように入れるのがポイントです。
この時も青梅に傷がつかないようにやさしく扱ってください。大きな傷がある青梅は取り除きましょう。
※氷砂糖を黒糖に変えると「黒糖梅酒」、はちみつに変えると「はちみつ梅酒」にできます。
2.お酒を瓶に注ぐ
ガラス瓶にお酒を注ぎ入れます。
お酒の種類によって味わいが変わりますので、好みのものを選んでください。
3.冷暗所で保存する
梅酒は保存期間で味わいやまろやかさが変わります。しっかりとふたをして、直射日光の当たらない冷暗所で半年~1年くらい寝かせると飲み頃になります。
梅酒をより美味しく飲むために、作ってからどのくらい経ったか分かるよう瓶に日付を書いておきましょう。氷砂糖か黒糖かはちみつかなどもメモしておくと、次回梅酒を作る時の参考にできます。
ベースのお酒ごとの梅酒の特徴
ベースとなるお酒によって味わいの違いを楽しめることも、自家製梅酒の醍醐味のひとつです。
焼酎、ブランデー、ウイスキー、日本酒の4種類を取り上げ、それぞれの違いについて紹介します。
焼酎(ホワイトリカー)
一般的に梅酒と呼ばれるものは焼酎で漬けることが多いですが、特にホワイトリカーは無味無臭のお酒のため、余計な味わいが追加されず梅自体の風味が楽しめます。そのため、どのような飲み方にも合いますが、ジュースやお茶で割ることでお酒が苦手な人にも飲みやすくなります。
また、焼酎が好きな方はホワイトリカーではなく本格焼酎を使うことで、焼酎自体の味わいを含んだ梅酒を作ることができますので、好みに合わせて数種類作ってみるのも楽しいかもしれません。
ブランデー
ブランデーで作る梅酒は熟成が早いのが特徴です。通常半年くらい寝かせる必要がありますが、ブランデーで作った場合は早くて3か月程度で飲み頃になります。ブランデー単体の飲みにくさがなくなり、ブランデーと梅の甘さが合わさってまろやかな味わいになります。
ブランデー自体の甘味もありますので、砂糖の量は好みに合わせて調整してみるといいと思います。スッキリしたものが好みであれば少なめに、甘さを際立たせたいなら多めといった具合です。
また、ブランデー自体が時間を置くことでまろやかな味わいになりますので、梅のエキスが染み出すとともにブランデーも熟成され、ブランデーの深い味わいと梅の爽やかさが楽しめる、お酒好きな人におすすめの梅酒です。
ウイスキー
ウイスキーもブランデーと同じく熟成が早いため、3か月程度で飲み頃になります。
ウイスキーを使って梅酒を作ると、梅酒の甘酸っぱい風味と爽やかさがウイスキーと相まってより深みのあるコクと余韻を楽しめます。
ウイスキーには多くの種類がありますが、使用する銘柄によって味わいや香りが異なります。クセの強いウイスキーだと梅酒とのバランスが崩れて本来の風味が失われてしまうため、美味しく飲むためには銘柄選びも重要です。ウイスキー独特のスモーキーな香りが苦手という方は、クセの少ないスッキリしたものが飲みやすくておすすめです。
日本酒
日本酒と梅。いかにも合いそうですね。
日本酒で梅酒を作る際は、砂糖を少なめにして作ることで日本酒の良さが引き立ちます。
特徴としては、日本酒本来の米の甘味を残しつつ梅の爽やかな味わいが追加されたスッキリとした梅酒になります。そのため、ジュースやお茶で割ると日本酒の良さが消えてしまうので、ロックやソーダ割りがおすすめです。
注意点として、日本酒は20度未満のものが多いため、アルコール度数を確認し20度以上のものを使うようにしてください。最近では梅酒用の日本酒も売られていますので、心配な方はこちらを選んでみてください。
自家製梅酒のおすすめの飲み方・楽しみ方
自家製梅酒は様々な飲み方やアレンジの楽しみ方ができます。気になるものはぜひとも家で実際に試してみてください。
梅酒ロック
梅酒に氷を浮かべてそのまま飲むロックは、梅酒そのものの味や深みのあるコクを楽しむことができます。大きめの氷を入れることで、時間が経つにつれて徐々に氷が溶けていき、少しずつ味が変化するのを楽しめるのもポイントです。
梅酒サワー
グラスに氷と梅酒を入れて、炭酸水を注いで飲む飲み方です。
梅酒の甘味と炭酸の爽やかさで爽快感のあるスッキリとした味わいを楽しめます。炭酸を加えることで度数が下がるため、梅酒は度数が高いと感じる方にもおすすめの飲み方です。
梅酒サワーを作る時は炭酸が抜けないように気をつけることがポイントです。
梅酒のお湯割り
梅酒をお湯で割ると、より梅酒の香りが引き立ちます。寒い時期でも身体の芯から温まるのでおすすめの飲み方です。美味しいお湯割りを作るには1:1の割合で、70度前後のお湯を注いでから梅酒を加えることがポイントです。
梅酒ゼリー
梅酒と粉ゼラチン、はちみつ、水を加えて冷やしたぷるぷるの梅酒ゼリーは、梅酒の風味をしっかりと感じられます。梅の実をトッピングすれば一味違った食後のデザートに最適です。
梅酒シャーベット
シャーベット状にした梅酒は、冷たくて食感も楽しめる夏にぴったりな大人のデザートです。梅酒に水やはちみつ(もしくは砂糖)を加えて凍らせるだけの簡単レシピで、お好みの甘さに調整することもできます。
もっと手軽に日本酒ベースの梅酒を味わいたい方
沢の鶴では3年以上の歳月をかけて熟成させた生酛(きもと)造り純米酒をベースとした古酒仕込み梅酒をご用意しております。
ストレートやロック、ぬる燗など様々な飲み方ができるおすすめの梅酒です。
おわりに
今回紹介したベースのお酒による違い以外にも、様々なアレンジの仕方があります。子供用に梅ジュースにすれば親子で楽しむこともできるでしょう。
梅酒は一度作ってみれば、次はどんな梅酒を作ろうかなどと思わず考えてしまうほど気軽に作ることができます。この記事を参考に、ぜひとも自分だけの自家製梅酒作りにチャレンジしてみてください。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
沢の鶴はこれからも日本酒文化を大切にしながら、みなさまの毎日の食事がもっと美味しくなるお酒造りを続けていくと共に、このWEBメディア『酒みづき』を通して、より多くの方々に日本酒の美味しさや楽しみ方に関する情報をお届けしてまいります。
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