秋の夜に「月見酒」を楽しもう!月見酒の由来やおすすめの日本酒
日本には季節を感じられる行事がたくさんあります。冬は雪見、春にはお花見、そして秋といえばお月見ですよね。暑さが和らぎ、心地よく感じられる秋の夜には、美しい月を見上げながら「月見酒」を楽しんでみませんか。
今回は、秋の夜に楽しむ月見酒に関する知識や月見酒と合わせたいおつまみ、おすすめの日本酒をご紹介します。
Contents
「月見酒」とは
月見酒とは、9月に月を眺めながら飲むお酒のことです。花見をしながら飲む花見酒、雪景色を眺めながら飲む雪見酒というように、季節を楽しむ日本の風習の一つです。「月見酒」は、秋の季語として俳句にも詠まれる言葉です。
月見酒の由来
2017年に中秋の名月の日が「月見酒の日」として制定されましたが、月見酒の歴史は古く、古代より秋の収穫の感謝を神様に伝える「月祀り(つきまつり)」が行われていました。奈良・平安時代には月見をしながらお酒を酌み交わす「観月の宴」の風習が中国から伝わり、貴族たちは「月祀り」「観月の宴」を催して月を見ながらお酒を楽しんだとされています。
鎌倉・室町時代になるとこの風習は武家や農民へも広がり、現代でも馴染みのある「月見酒」が定着していったといわれています。
「中秋の名月」とは?
中秋の名月とは旧暦の8月15日の夜に見える月のことをいい、ススキを飾ったりお月見団子を食べたり、旬の収穫物をお供えするといった風習は現代でも続いています。中秋の名月という言葉は旧暦から由来している言葉です。
旧暦では1~3月は春、4~6月は夏、7~9月は秋、10~12月は冬とされていました。8月15日は秋の真ん中の月、そして暦月の真ん中の日であるため「中秋」と呼ぶようになったのです。15日の夜は「十五夜」とも呼ばれており、一年で12回~13回巡ってきますが、中秋だけ「名月」と呼ばれているのは一年の中で最も月が明るく美しいとされているからです。そのため、旧暦の8月15日の夜に出る月を「中秋の名月」と呼ぶようになったといわれています。
旧暦では暦を月の動きに合わせていましたが、新暦では太陽の動きを基準としています。そのため新暦が用いられている現代では、中秋の名月の日が毎年異なり、中秋の名月と満月の日がずれることも起こり得ます。2023年の中秋の名月は、9月29日です。
月見酒と一緒に食べたい!お月見団子と衣被(きぬかつぎ)
月見といえばお月見団子を一番に思い浮かべるかと思いますが、お月見団子の代わりに衣被を楽しむこともあります。中秋の名月の時期は芋の収穫期と重なり、里芋の収穫を祝うことから衣被をお供えする風習があるのです。
もちろん、お月見団子と衣被、両方楽しむのもおすすめです。
お月見団子の作り方
月見酒を楽しむときのお供に食べたいお月見団子の簡単なレシピをご紹介します。
材料(15個分)
- 団子粉:100g
- 水:100ml
- お湯:適量
- 冷水:適量
- ボウルに団子粉を入れて、水を加えながら手の腹でよくこねる
- 耳たぶの固さになったら、生地を500円玉サイズにして丸める
- お湯を沸騰させた鍋に団子を入れて、浮き上がってきたら3分程茹でる
- 茹で終わったらお湯を切り、冷水にさらして冷ます
- 団子が冷めたら水気を切り、器に盛り付けて完成
衣被(きぬかつぎ)
衣被は、小さく丸みのある里芋を皮付きのまま蒸かしたものです。簡単に作れるので、ぜひ月見酒のお供として挑戦してみてください。
材料(3人分)
- 里芋(小ぶりのもの):30個(約600g)
- 塩:適量
- しょうゆ:適量
- 里芋についている泥を水でよく洗い流す
- 里芋の頭の部分を包丁で切り落とし、座りをよくする
- 湯気の上がった蒸し器に里芋を並べて15~20分程蒸かす
- 楊枝がスッと入るくらいになったらざるにとり、塩を軽く振る
- 温かいうちに切り落としていない側をつまんで皮をつるんとめくり、お皿に盛り付けて完成
月見酒におすすめの日本酒
せっかく美しい月を見ながらお酒を飲むのであれば、秋ならではの日本酒を楽しむのがおすすめです。
秋だけの味わい!旨味たっぷりの「ひやおろし」
ひやおろしとは、春にしぼったお酒を一度だけ火入れと呼ばれる加熱処理を行い、秋まで熟成させてから出荷される生詰めのお酒のことです。通常の日本酒は貯蔵前と出荷前の二回火入れを行いますが、ひやおろしは二度目の火入れを行いません。
秋が到来した頃に外気と貯蔵室の温度が同じくらいになってから出荷する際、常温(冷や)の状態でおろすことから「ひやおろし」と呼ばれています。
秋まで熟成させたひやおろしは、旨味とまろやかなコクがあります。二度目の火入れを行わないため、生の味わいを感じることができるのも魅力です。
よく冷やして飲むことで、スッキリとした口あたりと生の爽やかな味わいをより楽しめます。また、40度程の「ぬる燗」にして飲むとコクを楽しめるため、その日の気温に合わせるのがおすすめです。
沢の鶴おすすめのひやおろし
生酛純米 ひやおろし
沢の鶴おすすめの「生酛純米 ひやおろし」は、秋限定のこだわりの日本酒。生酛造りによってコク深い味わいに仕上げています。
月見団子にぴったりの純米吟醸酒・純米大吟醸酒
純米吟醸酒・純米大吟醸酒は、米・米麹・水のみを原料として、よく磨いた米を10度前後の低温で長時間かけて発酵させる「吟醸造り」と呼ばれる製法で造られています。そのため、米本来の旨味やコクを感じられる上、華やかな「吟醸香」を楽しめるのが特徴です。
純米吟醸酒・純米大吟醸酒の上質な米の旨味やコクは、お月見団子の甘味とよく合います。お月見のお供に、一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
沢の鶴おすすめの純米大吟醸酒
純米大吟醸 瑞兆(ずいちょう)
「よろこびの兆し」を意味する「瑞兆」は、味吟醸タイプの純米大吟醸酒です。果実のような華やかさと爽やかさを合わせもつ香りと、ふっくらと奥行きのあるコク、まろやかな味わいを楽しめます。お月見団子や衣被、秋の味覚と一緒に味わってみてください。
月見酒に合わせたい!秋の味覚のおつまみ
秋にしか味わえない月見酒は、秋の味覚によく合います。ここからは、お月見をより楽しめる秋の旬の食材を使ったおつまみレシピをご紹介します。
秋刀魚のなめろう
材料(2人分)
- 秋刀魚(刺身用):1尾
- 長ねぎ:1/3本
- しょうが:20g
- みそ:小さじ2
- 小ねぎ:少々
- 大葉:10枚
- 秋刀魚は3枚におろして小骨と皮をとり、包丁で細かくたたく
- みじん切りにした長ねぎ・しょうがを加えてさらにたたき、みそを加えて混ぜ合わせる
- 器に盛り付けて、小口切りの小ねぎを散らし、大葉を添えて完成
椎茸のホイル焼き
材料(2人分)
- 椎茸:4個
- バター:20g
- しょうゆ:大さじ1/2
- 椎茸の根元を切り落とし、四つ切りにする
- アルミホイルの上に椎茸・バターを乗せて、しょうゆを回しかけて包む
- トースターで6~8分程、椎茸がしんなりとするまで焼く
お月見つくね
材料(2人分)
- 鶏ひき肉:200g
- レンコン:100g
- 大葉:5枚
- 卵黄:2個
- 白いりごま:適量
- 小ねぎ:適量
- サラダ油:大さじ1/2
- [A]料理酒:大さじ1
- [A]顆粒和風だし:小さじ1
- [A]塩:少々
- [A]黒こしょう:少々
たれの材料
- しょうゆ:大さじ2
- 料理酒:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 砂糖:大さじ2
- レンコンの皮を剝き、粗みじん切りにする。大葉はみじん切りにする。
- ボウルに鶏ひき肉・大葉・レンコン・[A]を入れてこねる
- 2個分丸く形を整えて、中央にくぼみをつくる
- 中火で熱したフライパンに油をひき、くぼみを入れた面を上にして焼く
- 焼き目がついたら裏返し、3分程蓋をして蒸し焼きにする
- 両面に焼き目がついたらたれの材料を加えて、中火で煮詰める
- お皿に盛り付けて、卵黄・白いりごま・小ねぎを散らして完成
おわりに
月見酒は古くから親しまれてきた日本の風習の一つです。中秋の名月には、美しい月を見ながら秋ならではの季節の変化を堪能できる日となるでしょう。
ぜひ、旬を迎える秋の味覚とともに、おいしい月見酒を楽しんでください。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
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