日本酒とカニのペアリングは冬にぴったり!おすすめの日本酒と甲羅酒の作り方を紹介!
冬の味覚の代表格であるカニ。みなさんはどのようにカニを食べるのがお好きでしょうか?
カニを食べるときには、ぜひ日本酒と一緒に楽しみたいところです。日本酒好きの方は、どんな日本酒がカニに合うのか気になっているかもしれませんね。
そこで今回は、定番のカニ料理とともに、カニとのペアリングにおすすめの日本酒をご紹介します。併せて甲羅酒の作り方も説明しますので、ぜひ〆には甲羅酒をお楽しみください。
Contents
日本酒と楽しみたいおすすめのカニ料理
カニは調理方法によって味わいが変わり、カニの種類や特徴によってそれぞれ適した調理方法が異なります。まずは、日本酒と一緒に楽しみたいカニ料理を見ていきましょう。
焼きガニ
焼きガニは、凝縮されたカニの旨みと香ばしさを熱々の状態で味わうことができます。少し淡白ですが、大きくて食べ応えのあるタラバガニが特に焼きガニに適しています。
焼くことによって、一般的なボイルタラバガニでも、香ばしさや旨みは十分楽しめますが、茹でていない活けガニを使えば、より一層美味しさが増します。
調理方法(活けガニ)
- 殻を下に、身が上になるように並べて振り塩をします。
- 網やフライパン、ホットプレートなどで焼きます。
- 殻が赤くなってきて、身の表面がぷくっと膨らんだら食べ頃です。
ボイルタラバガニの場合は、焼き過ぎに注意しながら、網やフライパンで焼き、香ばしい香りが立てば食べ頃です。
また、焼きガニには、ほぐした身を甲羅に詰めて焼く「甲羅焼き」という楽しみ方もあります。甲羅焼きを食べたあとは、締めにそのまま甲羅酒を作りましょう(作り方は後述)。
甲羅焼きには特に毛ガニがおすすめで、お酒は旨みが強い純米酒が良く合います。
注意点
旨みが詰まった汁がこぼれてしまうため、両面を焼こうとひっくり返すのは厳禁です。また、焼き過ぎるとほくほくした食感がなくなるので注意してください。
茹でガニ
茹でガニは、しっとりとした食感とカニの繊細な甘みを楽しむことができる定番の食べ方です。どの種類のカニでもおいしくいただくことができます。
茹でガニの繊細な風味には、フルーティーな吟醸酒や大吟醸酒がよく合います。
調理方法
- 茹でる前に、たわしなどで殻を洗いましょう。
- 鍋にカニが隠れるくらいの水を張り、塩を加えて沸騰させます。理想の塩分濃度は4%ほどです(1Lの水に対して大さじ3弱の塩)。
- 沸騰したら腹が上、甲羅が下になるように鍋に入れて茹でます。
- ズワイガニなら鍋に入れて再沸騰してから15~20分くらい、毛ガニは20分くらいが茹で時間の目安です。ただし、大きさによっても時間は異なります。
- 茹で上がったらカニを鍋から出して流水でアクを流し、腹を上にしたままザルなどにあけ、粗熱を取ります。
- 氷水で5分ほど締めると身が引き締まり、より食べやすくなります。
注意点
活けガニを茹でていると足が取れてしまうことがあります。これを防ぐには、カニを締めてから茹でるのがおすすめです。
具体的には、氷水に10分ほど浸ける、冷凍庫に30分ほど入れるなどの方法があります。
また、元々ボイルしてあるカニは再加熱すると味が落ちてしまうので、解凍したら茹でずにそのまま食べましょう。
刺身
カニ刺しは、ぷりぷりの食感とトロリとした甘みを堪能することができます。刺身には、ズワイガニやタラバガニが特におすすめです。
カニ刺しも茹でガニ同様に繊細な味なので、クリアな吟醸酒や大吟醸酒がよく合います。
調理方法
- 自分で一から捌くときはハサミで足を切り、身を引き出します。
- ズワイガニで身を米粒状の「花が咲いた」状態にした場合は、赤い膜を剥がして氷水に5分ほど浸け、繊維が広がったら水気を拭き取りましょう。
冷凍の場合は、食べる分だけ解凍します。余ってしまったときは再冷凍すると味が落ちるので、冷蔵して早めに食べきってください。
注意点
刺身には、必ず「刺身用」「生食用」と表記されているものや「活けガニ」を使ってください。
ただし、「生カニ」と「活けガニ」は違うので要注意です。「生カニ」はカニを加熱せずに凍らせたもので、必ずしも生食できるとは限りません。
また、刺身の場合は寄生虫などを気にする方もいるかもしれませんが、海水域のカニであれば心配はいりません。また、ズワイガニは甲羅に黒い「カニビル」の卵が付いていることがありますが、カニビルがカニの身に入り込むことはありません。
冷凍のカニの場合は、マイナス30度以下で冷凍されているため寄生虫がいたとしても死んでしまうので安心してください。
ただし、淡水域のカニは刺身で食べることは避けましょう。
鍋
鍋はカニのエキスが出汁に染み出すので、カニそのものはもちろん、雑炊などの締めでカニを余すところなく楽しめます。
鍋にはズワイガニやワタリガニが定番です。特にワタリガニは旨みの強い出汁が出るので鍋におすすめ。味付けにもよりますが、鍋にはコクのある酒や燗酒が合います。
鍋料理のバリエーション
カニ鍋にはさまざまな種類があるので、特定の調理方法ではなくおすすめのバリエーションをご紹介します。
- 昆布や醤油を使った濃いめの出汁で煮るカニすき
- 薄味の出汁で煮てポン酢でいただくカニちり
- 昆布出汁などにさっとくぐらせるカニしゃぶ
- こってりした味噌仕立てのカニ鍋
メインとなるカニ以外に、豆腐や野菜などをたっぷり食べられるのも鍋の良いところです。
カニと一緒に楽しみたい日本酒を紹介!
それでは、カニによく合う日本酒を5つ見ていきましょう。
「特別純米酒 実楽山田錦」
スッキリとしたコクとキレがあり、飲みやすいと評判のお酒です。焼きガニと合わせると、香ばしさや凝縮された旨みにも負けることなくぴったりマッチします。
- 特別純米酒
- 山田錦を100%使用
- アルコール度数:
- 14.5度
- 飲みごろ温度:
- 【冷】15℃付近(涼冷え)、【燗】35℃(人肌燗)~40℃(ぬる燗)
「純米吟醸酒 Kobe1717」
スッキリと飲みやすく、繊細でコクのある味わいとフルーティーな香りが特徴的なお酒です。茹でガニと合わせると、お互いの繊細さを打ち消すことなくどちらも楽しむことができます。
- 純米吟醸酒
- 兵庫県限定商品
- アルコール度数:
- 13.5度
- 原材料:
- 米(日本産)・米麹(日本産米)
「純米酒 山田錦」
辛口のスッキリ感とバランスの良い旨みを併せ持つお酒です。さっぱりしたポン酢と相性が良いので、茹でガニ・刺身・鍋など三杯酢やポン酢を使ったカニと合わせるのがおすすめ。
- 純米酒
- コンビニ小瓶あり
- アルコール度数:
- 14.5度
- 項目:
- 【冷】15℃近辺(涼冷え)、【燗】45℃(上燗)~50℃(あつ燗)
カニの甲羅を使った「甲羅酒」の作り方
甲羅酒とは、カニ味噌を食べたあとの甲羅に日本酒を注ぎ、火で炙って熱燗にして飲むという日本酒の楽しみ方です。カニの香ばしさやカニ味噌の濃厚さが酒に移り、独特の風味になります。身も心も温まるので、カニ料理の締めはこれと決めている方も多いかもしれません。
最後に、そんな甲羅酒を自宅で楽しむ方法をご紹介します。
作り方
- カニ味噌を食べたあとの甲羅を、ガスコンロや魚焼き用の網、トースターなどにセットします。加熱する際に甲羅が割れないように、火に当たる部分をアルミホイルで包みましょう。
- 甲羅を網にセットしたら、日本酒を注いで加熱します。お酒は温めたものでも常温でも問題ありません。
- ふつふつと泡が立ってきたらできあがりです。やけどしないように注意してください。
カニ味噌の風味を強めに楽しみたい方は、少しカニ味噌を残しておくのがポイントです。好みに合わせて、カニ味噌を全部入れて甲羅酒にしてもよいでしょう。
カニの香ばしさだけを楽しみたい場合は、カニ味噌は食べきってしまい、酒を注ぐ前に甲羅を炙って水分を飛ばしておくことをおすすめします。
おわりに
カニにはさまざまな食べ方があります。焼きは香ばしさと凝縮した旨み、茹では繊細さ、刺身は生ならではの甘みと食感、鍋はカニだけでなく他の食材や雑炊も楽しむことができます。
日本酒とカニは相性抜群なので、ぜひペアリングして楽しんでみてください。基本的にはカニの繊細さに合う、スッキリとした風味の日本酒がおすすめです。
そして締めにはぜひ甲羅酒をどうぞ。カニ味噌を少し残した甲羅をアルミホイルで包んだら、日本酒を注いで焼くだけで、カニの旨みと香り、そして日本酒の味わいが融合した最高の一杯を楽しめますよ。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
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