「もっきり」・「升酒」はどう飲む?居酒屋での日本酒の頼み方&楽しみ方
日本酒にはさまざまな銘柄があり、飲み方や酒器も多種多様です。それだけに、居酒屋などで日本酒を頼む際は少し躊躇してしまうという方も多いかもしれません。
例えば、「もっきり」スタイルで日本酒が運ばれてきた場合、どんなふうに飲むか迷ったことはありませんか?
今回は、もっきり・升酒の飲み方や、居酒屋で気軽に日本酒を楽しむための頼み方のコツなどをご紹介します。
Contents
もっきりとは?升酒の2種類の飲み方
まずは、居酒屋で時々見かける「もっきり」、升酒の飲み方についてです。
もっきりとは?
升の中にグラスが置かれ、その中になみなみと注がれる日本酒が「もっきり」です。
江戸時代、日本酒は量り売りされていて、酒屋の樽から徳利や升などに直接注いで売られていました。もっきりは、その頃の「盛りきり」から生まれた言葉といわれています。
コップからあふれて升までこぼすことから、「盛りこぼし」ともいうようです。居酒屋によっては、升ではなく小さな受け皿にこぼすところもあります。
もっきりの飲み方
実は、もっきりに正しい飲み方はなく、どのように飲んでも間違いではありません。
しかしせっかく飲むのであれば、粋な飲み方やキレイな飲み方で楽しみたいものですね。
1.グラスを傾けてあふれそうな日本酒を升の中に少し移す
2.グラスの日本酒から飲む
3.グラスを升から外して、升の日本酒をグラスに移しつつ飲む
このような飲み方ですとキレイに飲めるかもしれません。
もちろん、グラスの中の日本酒を飲み干した後に、気分を変えて升から飲んでみるのも良いでしょう。
升からそのまま飲む、升酒の飲み方
升酒は、結婚披露宴などのお祝いの席で振る舞われることが多い飲み方で、居酒屋などではあまり見かけないかもしれません。
升は、漆塗りの他に、ひのきや杉で作られた木升があります。木升を使う場合は、香りが穏やかなタイプの日本酒を選ぶと、ひのきや杉の香りと一緒に楽しむことができるでしょう。
升から飲む際は、角から飲むのではなく、平たい部分に口をつけてすする様に飲んでください。
もちろん、日常的な場面で飲む時は、角からでも良いです。ちょっとした知識として知っておくと良いでしょう。
升の一画に塩を持っておいて、塩とともに日本酒を楽しむのも粋な飲み方ではないでしょうか。
居酒屋での日本酒のスマートな頼み方
日本酒にはさまざまな種類があり、居酒屋によって置かれている銘柄もまちまちです。メニュー表に特に説明が記載されていないときなどは、どれを頼めば良いか迷うこともありますよね。そんなときに覚えておくと安心な、日本酒のスマートな頼み方をご紹介します。
好みの温度を伝える
まずは好みの温度を伝えましょう。日本酒は、温度によっておすすめの種類が違います。
温度によってさまざまな呼び名がありますが、まずは以下4つの温度帯を覚えておくと良いでしょう。
・冷酒(5~15度程)
・冷や(常温)
・ぬる燗(40度程)
・あつ燗(50度程)
グラス、徳利(量)を選ぶ
居酒屋によっては、グラスか徳利かを選べる場合があります。グラスはだいたい90ミリリットル、徳利は1合(180ミリリットル)で提供されることが多いようです。自分がどのくらい飲むのかを考えて注文しましょう。
次に違う種類を飲みたい場合は、グラスで。ひとつの銘柄をじっくり味わいたい場合や、何人かでシェアする場合は徳利で頼むと良いでしょう。
どんなお酒かリクエストするなら
どの日本酒を頼むか迷ったら、お店の人に相談してみましょう。温度の他に、甘辛や濃淡など味わいの特長を伝えられると、お店の方もおすすめしやすくなります。
日本酒は、香りや味わいの濃淡によって4つのタイプに分類されます。
甘口、辛口を伝えるのも良いですが、香りの高いタイプが良いか、香りが穏やかなものが良いのか。すっきりした味わいか、コクのあるものを飲みたいのかなども伝えられると良いでしょう。
この他、メニューにある料理にピッタリの日本酒をお願いするというのもおすすめです。
日本酒を飲む順番、おすすめは?
日本酒を楽しむのに、正式な順番はありません。
しかし、最初に濃厚なタイプの日本酒を飲むと、その後に軽快な飲み口の日本酒を飲んだ場合に、魅力がしっかり伝わらないかもしれません。
さまざまなタイプの日本酒を味わいたいのであれば、軽くすっきりとした飲み口のものからはじめて、徐々に濃厚な味わいの日本酒に移行するという飲み方がおすすめです。
おわりに
今回は、もっきりスタイルの日本酒の飲み方や、居酒屋での日本酒の頼み方、日本酒を飲む際の順番についてご紹介しました。日本酒は種類や飲み方がたくさんあって選ぶのが難しいと思われるかもしれませんが、違いが分かると日本酒の魅力をより楽しめるようになります。ぜひ、居酒屋などで気軽に日本酒を注文してみてくださいね。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
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