日本酒でお肉が柔らかくなる?!柔らかくなる理由と具体的な方法を解説
お手頃な価格で買ったお肉を使って料理をしたら、お肉が硬かった…なんてことがあるかもしれません。繊維が多く硬いお肉でも下処理をすれば、柔らかくジューシーに仕上げることができます。特におすすめなのが日本酒で下処理すること。
そこで今回は、日本酒でお肉が柔らかくなる理由と具体的な方法について解説します。
Contents
なぜ日本酒でお肉は柔らかくなるの?その理由を解説!
日本酒を使って下処理することでお肉が柔らかくなります。では、どうして日本酒を使うとお肉が柔らかくなるのでしょうか。その理由について解説します。
日本酒(料理酒)を使うとお肉のpH値が変化する
お肉を柔らかくする方法はいくつかありますが、その1つとしてpH値を変化させる方法があります。
pH値とは、アルカリ性・中性・酸性といった液体(または物質)の性質のことです。お肉はもともとほぼ中性ですが、お肉のpH値をアルカリ性または酸性にすることで柔らかくなります。日本酒は弱めの酸性なので、漬けることでお肉のpH値を変化させることができます。
お肉のpH値が偏ることで肉の筋繊維がほぐれ柔らかくなる
ではpH値が変わると、どうしてお肉が柔らかくなるのでしょうか。
その理由はお肉が酸性またはアルカリ性のどちらかに傾くことによって、肉の筋繊維がほぐれるからと言われています。これは酸またはアルカリ由来のプラスイオンとマイナスイオンの反発によって起こることです。
お肉の筋繊維がほぐれると柔らかくなるだけではなく、より多くの水を保持することができ、保水性も向上します。お肉の筋繊維がほぐれ、保水性がアップすることで柔らかくジューシーになるのです。
日本酒でお肉を柔らかくする方法は?
日本酒を使うことでお肉が柔らかくなる理由を解説しました。ここでは、日本酒を使ってお肉を柔らかくするための方法をご紹介します。
お肉を日本酒に漬ける
お肉は日本酒に漬けるだけで柔らかくなります。漬ける時間の目安は、1時間~半日程度です。ただし、長期間漬けるとお肉の鮮度が落ちる可能性があるため、半日以上漬けておくことは避けましょう。また、日本酒に漬けることで臭みも消してくれます。
日本酒の種類は純米酒がおすすめ
一般的な日本酒であればpH値は低く、酸性であるため、お肉を柔らかくするだけならどの日本酒を使っても問題ありませんが日本酒の中でも純米酒がおすすめです。
純米酒は、原材料が米と水であるため、日本酒の中でも料理に使いやすい種類でもあります。
料理酒ではダメ?日本酒との違い
料理酒と日本酒の違いは、塩分の有無です。料理酒は調味料として扱っているため、塩分が加えられ、飲料用の味わいになっていないのが特徴。商品によっては塩分だけではなく、甘味料や酸味料が含まれているケースもあります。
料理酒を使ってもお肉は柔らかくなりますが、塩分などが含まれているため、料理の際は味付けの調整が必要です。
日本酒と料理酒の違いについては、下記のコラムでも詳しくご紹介しています。
日本酒以外のお酒でもお肉は柔らかくなる?
お肉を柔らかくするには日本酒がおすすめですが、そのほかのお酒でもお肉を柔らかくすることができます。お手元に日本酒がない方は、ご紹介するお酒を活用してみてはいかがでしょうか?
ビール
「ビール煮」という言葉があるほど、ビールを料理に活用することは比較的メジャーです。
特に煮込み料理を作るときは、水の代わりにビールを入れて煮込んでみましょう。お肉が柔らかく仕上がるだけでなく、ビールの風味や苦味がかすか残り、大人の味わいになります。ただし日本酒のようにお肉を漬ける方法だと、苦味が染み付いてしまうこともあるので気をつけてください。
赤ワイン
肉料理と赤ワインの相性はとても良く、牛肉ステーキやビーフシチューなどを作るときに重宝します。お肉を柔らかくしてくれるだけでなく、赤ワインに含まれるタンニンという成分がお肉の旨味・甘味を引き立ててくれると言われています。一方、白ワインは魚介料理との相性が良いと言われていますが、白ワインでもお肉を柔らかくする効果はあるので代用して問題ないでしょう。
焼酎
焼酎にはお肉の臭みや油っぽさを抑えてくれる効果があると言われており、さっぱりとした料理に向いています。また同じ蒸留酒である泡盛を使った沖縄料理ラフテーのように、角煮などの煮込み料理にも応用できるでしょう。日本酒と同様に、家庭に常備しやすいお酒でもあるので代用品としておすすめです。
日本酒を料理で使用するメリット|お肉を柔らかくする以外の効果
日本酒を料理で使用するメリットは、お肉を柔らかくするだけではありません。それ以外にもさまざまな効果に期待できます。
日本酒に含まれるアミノ酸が料理に好影響
日本酒には、旨味成分でもあるグルタミン酸やコハク酸、アラニンといったアミノ酸が多く含まれています。そのため、料理に使うことでコクや旨味がアップし、料理に好影響を与えてくれます。
また、料理酒のように塩分や甘味料などが含まれていないため、塩分や甘味料を控えたいときにおすすめです。
日本酒の具体的な調理効果
日本酒は、食材に染み込む際に他の調味料などと一緒に染み込んでいきます。そのため、食材にしっかりと味を染み込ませたいときには、旨味成分の多い日本酒はとても効果的です。また料理酒の場合も同じような効果を得られますが、含まれている塩分が砂糖の染み込みを邪魔してしまうことも。塩分を含まない日本酒のほうが、味の染み込みが良くなります。
他にも、日本酒に含まれる糖類やアミノ酸は、加熱することで料理に上品な風味をプラスしてくれます。
【おすすめレシピ】日本酒で柔らかくしたお肉で美味しい料理を作ろう
ここでは、日本酒で柔らかくしたお肉を使ったレシピをご紹介します。
鶏もも肉のテリヤキステーキのレシピ
鶏もも肉のテリヤキステーキは、日本酒との相性ばっちり。お酒のアテとしてもおすすめです。
鶏もも肉1切れを日本酒に漬け、2~3時間ほど冷蔵庫で寝かしておきます。寝かせたら油をひいたフライパンを熱します。鶏もも肉の皮が付いたほうから両面きつね色になるまでじっくり焼きます。中まで火が通ったら、しょうゆ・酒・砂糖を入れて熱し、できあがりです。
味付けがしっかりしているテリヤキステーキは、お米の香りがふくよかな純米酒と合わせると良いでしょう。
ジューシーな柔らか豚カツのレシピ
作り方は、豚ロース肉1枚に日本酒を適量漬け、1時間ほど冷蔵庫に入れて寝かせます。日本酒に漬けた豚肉に、塩コショウをまぶし、筋を切り叩いておきましょう。下処理した豚肉に、小麦粉・溶き卵・パン粉を順に付けてから、180℃ほどの油で揚げます。カラッと揚がりきつね色になったら、油を切ってできあがりです。
豚カツソースも良いですが、塩やおろしポン酢でさっぱりいただくのもおすすめです。実は、豚カツも純米酒のような日本酒と合います。日本酒のアテとして、作ってみてはいかがでしょうか。
【米だけの酒】料理としてもおすすめな沢の鶴の日本酒
麹2倍の純米酒
- 純米酒
- 料理におすすめ
糀の、ほのかな甘みがやさしい日本酒。いつまでも、おいしい晩酌を楽しみたい。
- アルコール度数:
- 10.5度
- 飲みごろ温度:
- 10℃(花冷え)、45℃(上燗)
麹(こうじ)のほのかな甘味を堪能できる『麹2倍の純米酒』。麹米を2倍以上も使用し、ギュッと凝縮された旨味が魅力の日本酒です。体に大切とされるアミノ酸が豊富に含まれており、料理に使用すればコクや旨味を引き出してくれます。もちろん晩酌でもまったりと味わいを楽しめるので、ぜひご自宅用にお買い求めください。
米だけの酒
沢の鶴自慢の純米酒『米だけの酒』は醸造アルコールや糖類などを一切使用していない、文字通り”米100%の日本酒”です。程よい旨味があり、飽きることなく楽しめるやさしい味わいが特徴。繊細な香りを楽しみつつ味わっても良いですし、無添加だからこそ料理に使用するのもおすすめです。お求めやすい価格で気軽に購入いただけるので、ぜひ料理のお供としてご自宅にいかがでしょうか。
- 純米酒
- 料理におすすめ
米一粒一粒の力が生きています。こだわりと値ごろ感をあわせもった純米酒。
- アルコール度数:
- 14.5度
- 飲みごろ温度:
- 15℃(涼冷え)、45℃(上燗)
【米だけの酒の詳細についてはコチラ】
おわりに
今回は、日本酒でお肉が柔らかくなる理由と具体的な方法について解説しました。
お肉を柔らかくする方法は、いくつかあります。その1つとして、日本酒に漬けてから調理する方法はとてもおすすめです。日本酒は、お肉の下処理だけではなく、料理に使うことで旨味やコクがアップ。味が食材に染み込みやすくなるといった効果にも期待できるため、飲むだけではなく料理にもぜひ取り入れてみてくださいね。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
沢の鶴はこれからも日本酒文化を大切にしながら、みなさまの毎日の食事がもっと美味しくなるお酒造りを続けていくと共に、このWEBメディア『酒みづき』を通して、より多くの方々に日本酒の美味しさや楽しみ方に関する情報をお届けしてまいります。
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※お酒は20歳になってから。お酒は楽しく適量を。飲酒運転は、絶対にやめましょう。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児に悪影響を与えるおそれがあります。
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