熱燗とは?適切な温度や作り方・楽しみ方!熱燗におすすめな日本酒もご紹介
日本酒には、温度帯によって異なる味わいや香りを楽しめる魅力があります。
特に「熱燗」は冬の風物詩として一般的に知られている飲み方の1つです。寒い季節に熱燗を飲むと体が芯から温まり、心地の良い時間を過ごすことができます。
当記事では、日本酒の熱燗について解説します。熱燗の適切な温度や作り方、より深く楽しむための方法など、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
熱燗とは?温度はどのくらいが適切?
熱燗は日本酒を「50℃くらい」まで温めた飲み方です。徳利やお猪口にまで温度が伝わるほど熱い温度帯で、温めることでシャープな香りと味わいを楽しめます。寒い冬の季節に飲まれることが多く、居酒屋や家庭にも広まっている飲み方なので、日本酒を飲まない方でも名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。
しかし、熱燗はあくまで「燗の温度」の呼称のひとつです。温度帯によって異なる呼び方がいくつもあるので併せてご紹介します。
熱燗は「燗酒(かんざけ)」の1つ
熱燗は一般的な知名度が高いため、「温めた日本酒=熱燗」と認識している方も多いと思います。しかし、正確には温めた日本酒の総称は「燗酒(かんざけ)」といい、温度帯によって呼称が異なります。熱燗はそのうちの1つです。
燗酒を含む日本酒の温度帯ごとの呼び方については、下記の図表を参考にしてください。
熱燗の作り方をご紹介!おすすめは「湯煎」
ここでは、ご家庭でも簡単にできる熱燗の作り方について解説します。おすすめは「湯煎」ですが、それ以外の作り方もあるので一緒にチェックしてみてください。
基本は「湯煎」で作るのがベスト
熱燗は湯煎で作る方法がベストです。湯煎で作ると日本酒を均一に温められ、日本酒の柔らかな味わいを引き立てることができます。
おすすめの手順は、徳利に日本酒を入れて、水を入れた鍋を火にかけて沸騰させます。沸騰したあとは火を止め、徳利をゆっくりと浸けます。熱燗であれば3分ほど浸けましょう。カップやグラスを使用する場合は、耐熱性があるか必ず確認してください。耐熱でないと割れたりヒビが入ったりする危険性があります。
※鍋や徳利の大きさ、素材での違いで必要な時間が変わります。
湯煎以外で熱燗を作る方法は?
湯煎以外の熱燗の作り方には以下の方法などがあります。
- 電子レンジで温める
- 日本酒を鍋で直接温める
電子レンジを使って熱燗を作る方法は手軽ですが、温度にムラが出てしまうことがあります。その場合は、飲む前にマドラー等でかき混ぜると温度のムラが軽減します。また日本酒を鍋に入れて火にかける方法は手っ取り早いですが、日本酒のアルコール分が飛んでしまい風味が変化してしまう可能性があるのでおすすめしません。
熱燗の作り方は以下の記事で詳しく解説しています。
熱燗・ぬる燗の作り方。電子レンジ・湯煎でつけるコツと温度ごとの魅力を紹介
熱燗をたっぷり堪能できる楽しみ方・飲み方
熱燗をより深く堪能するための楽しみ方、飲み方をご紹介します。普段から熱燗を飲んでいる方も、ぜひ試してみてください。
酒器や便利な道具にこだわる
熱燗を最大限に楽しむために、徳利やお猪口といった酒器にこだわってみたり、燗つけ専用の道具を揃えてみたりすると、さらに熱燗を楽しむことができるでしょう。
酒器には「燗徳利(かんどっくり)」と呼ばれる燗酒を飲むのに適した徳利があります。
燗徳利はお湯を入れる大きめの容器、その容器に収まるサイズのお酒を入れる徳利、そして猪口がセットになった湯煎用の酒燗器です。
容器は陶器など熱が逃げないもので作られており、特に美濃焼で造られている燗徳利は保温力が高いためおすすめです。
また湯煎を簡単に行える「ちろり」もおすすめの道具です。取手と注ぎ口がついた容器なのでで、直接本体を手で持つ必要がなく、お猪口へのお酌も簡単に行えます。
これらの道具は下記ページで詳しく解説しています。
冬キャンプで熱燗を楽しむ
冬キャンプと熱燗の相性はとても良いです。寒空のもと、たき火を囲みながら熱燗をじっくりと味わう時間は至福のひとときですし、日本酒と合うキャンプ飯もたくさんあります。
また、キャンプならではの日本酒アレンジレシピに挑戦するのもおすすめです。例えばキャンプやバーベキューでお馴染みのマシュマロを使った「マシュマロ酒」。
作り方は、キャンプ用品のシェラカップにマシュマロを多めに入れ、温度がやや高めの熱燗をゆっくりとかけます。その上からノンシュガーのインスタントカフェオレを適量入れて混ぜれば完成です。日本酒版のカルアミルクのような味わいで、体がとても温まります。試してみてはいかがでしょうか。
キャンプでもできる!熱燗の作り方。便利グッズやおつまみレシピもご紹介
ヒレ酒・甲羅酒などの飲み方で楽しむ
熱燗(燗酒)ならではのツウな飲み方もあります。
炙ったフグのヒレを75~80度まで温めた日本酒に浸ける「ヒレ酒」や、カニの甲羅に日本酒を注ぎ、甲羅ごと加熱する「甲羅酒」、日本酒とおでんの出汁を1対3の割合で割った「出汁割り」など、冬時期にぴったりな飲み方は意外と豊富です。
ヒレ酒と甲羅酒の詳しい作り方は、下記で紹介しているので気になる方はチェックしてみてください。
熱燗と相性抜群の定番料理・おつまみレシピ
熱燗は料理やおつまみと一緒に合わせると、美味しさがグッと引き立てられます。ここでは熱燗と相性抜群の料理・おつまみのレシピをご紹介します。
湯豆腐
豆腐を適度な大きさにカットし水洗いをします。その後、水を入れた土鍋に豆腐を加えて、昆布だしの素と塩を適量ふりかけます。蓋をし、中火で煮立ってきたら、とろ火で20分ほど煮込み完成です。豆腐と出汁だけでシンプルにいただいても良いですし、ネギや鰹節などの薬味と合わせるのもおすすめです。
鰤のしゃぶしゃぶ
- 鰤(ブリ)と長ネギ・キャベツ・椎茸・春菊などお好みの野菜を用意します。
- 鰤は薄めに切り、野菜も適度な大きさにカットしましょう。
- 具材の調理を終えたら、土鍋に昆布・水、きのこ類を入れて沸騰させます。
- その後、キャベツ・長ネギ・春菊などの野菜を加えれば完成です。
鰤を土鍋にくぐらせ、ポン酢などでいただきましょう。野菜と一緒に食べると、シャキシャキとした食感も楽しめます。
ふろふき大根
- 輪切りにした大根を用意し、厚めに皮をむき、片面に十文字の切り込みを入れます。
- そして鍋に大根と水、生米をひとつまみ加えて強火で沸騰させます。
- 沸騰したら中火で20~30分ほど煮込みましょう。
- 大根に竹串が通るようになったら、火を止めて水でサッと洗います。
- その後は別の鍋を用意し、水・だし昆布・本だし・煮込んだ大根を入れて沸騰させます。
- 沸騰後は弱火~中火にして、10分ほど煮込めば完成です。
柚子味噌や甘味噌などをかけていただいても良いですし、練り味噌と合わせても美味しいです。
<関連記事>
熱燗におすすめな沢の鶴の日本酒をご紹介!
ここでは熱燗におすすめな沢の鶴の日本酒をご紹介します。公式オンラインショップで手軽にお買い求めいただけるので、ぜひチェックしてみてください。
米だけの酒
米だけの酒はその名の通り、米でだけで造られた日本酒です。醸造アルコールや糖類、酸味料を一切使っておらず、お米由来の旨味がギュッと詰まっています。味わいが軽く飲みやすい純米酒で、飲み飽きせず、ついリピートしてしまう魅力に溢れています。
特別純米酒 山田錦
特別純米酒 山田錦は、酒米に適した山田錦を100%使用し造られた日本酒です。山田錦特有のきめ細やかで、コクのある味わいを楽しめます。また、麹を通常の2倍以上も使用しているため、凝縮された旨味を口いっぱいに感じることができます。
特別純米酒 実楽(じつらく)山田錦
特別純米酒 実楽山田錦は、「実楽(じつらく)」という特A地区の希少な山田錦を100%使用して造られた日本酒です。純米酒本来の旨味・芳醇な香り・キレが魅力で、きめ細やかな口あたりを楽しめます。また手間暇をかけた生酛造りで醸しているので、お米の旨味が最大限に引き出されている点も特徴の1つです。
- 特別純米酒
- 燗酒におすすめ
130年の絆から生まれた山田錦名産地の特別純米酒です。純米酒本来の旨みに、芳醇な香りとキレの良さが特長です。
- アルコール度数:
- 14.5度
- おすすめ温度:
- 人肌燗(35℃~40℃)、ぬる燗(40℃~45℃)
おわりに
日本酒の熱燗は、燗酒の中でも比較的メジャーな飲み方の1つです。居酒屋はもちろん、自身でも気軽に作ることができるため、普段は冷や(常温)・冷酒で飲んでいる方もこの機会に試してみてはいかがでしょうか。きっと、熱燗ならではの香りの立ち方や口あたりに魅力を感じるはずです。
1717年(享保二年)、灘の西郷で米屋の副業としてスタートした沢の鶴の酒造り。「米を生かし、米を吟味し、米にこだわる」酒造りは創業から300年以上も続く伝統です。
これまでにモンドセレクション世界酒類コンクールにて数々の賞を受賞。2007年には10年間連続で最高品質の商品を生産してきた企業に授与される最高栄誉賞(THE CRYSTAL PRESTIGE AWARD)も受賞するなど、日本酒業界において数々の功績を残しています。
沢の鶴はこれからも日本酒文化を大切にしながら、みなさまの毎日の食事がもっと美味しくなるお酒造りを続けていくと共に、このWEBメディア『酒みづき』を通して、より多くの方々に日本酒の美味しさや楽しみ方に関する情報をお届けしてまいります。
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※お酒は20歳になってから。お酒は楽しく適量を。飲酒運転は、絶対にやめましょう。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児に悪影響を与えるおそれがあります。
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