約130年前からお付き合いしている、米農家さんがいます。
米屋を発祥とする沢の鶴は米作りにもこだわり、1889年(明治22年)からお付き合いしている農家さんたちがいます。この約130年に渡って酒米作りをしているのが、兵庫県三木市吉川町実楽地区のみなさん。山田錦の特A地区にも指定されている実楽地区は、六甲山地北側の谷間にあり、豊かな土壌と清冽な水が流れる場所で、酒造りに大切な醪(もろみ)に溶けやすい良質で軟質なお米が収穫できます。生産されたお米は、契約栽培米として全量買い取らせて頂いています。
いまでは沢の鶴の選ばれた若手社員が実楽地区へ足を運び、田んぼで米作りを学んでいます。1年、2年と米作りを観察しているうちに、お米の細かな変化に気づくようになってくるもの。その積み重ねによって、毎年収穫したお米の些細な変化を読み取る力を養い、おいしい酒造りに活かしています。
1936年(昭和11年)に兵庫県立農事試験場で開発・命名された山田錦。草丈は高いが酒造好適米として優れている「山田穂」に、草丈の短い「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を掛け合わせた酒造りのために誕生したお米です。①高度な精米に耐えられる「大きな米粒」②酒の旨みであり雑味でもある「タンパク質が少ない」③良い蒸米に重要な「吸水性」が良い④良質な麹が作られるなど、酒米に求められる条件をすべて充たした“酒米の王様”といわれています。山田錦の生まれ故郷である兵庫県産のシェアが全国で圧倒的に高く、等級が一番高い「特上」は兵庫県産のみしかありません。沢の鶴では兵庫県産山田錦を使用しています。
産地ごとに適した造りで、お造りしています。
創業300年脈々と受け継がれる伝統と、新しい革新への遊び心が、沢の鶴のお酒のおいしさの秘密です。